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法人の場合も、消費税の納税義務がある法人(課税事業者といいます)と義務がない法人(免税事業者といいます)があります。

今日は法人が消費税の課税事業者となる場合とならない場合についてまとめたいと思います。

基準期間の課税売上高による判定

その事業年度の基準期間の課税売上高が、1,000万円以下の場合消費税の納税義務が免除され、1,000万円を超える場合消費税の納税義務があります。

基準期間とは、原則としてその事業年度の前々事業年度をいいますが、前々事業年度が1年に満たない法人については、その事業年度開始の日の2年前の日の前日から同日以後1年を経過する日までの間に開始した各事業年度を合わせた期間が基準期間になります。
新設法人の第3事業年度や、決算期の変更をした法人などの場合、前々事業年度が1年に満たないケースが発生します。このような場合、基準期間が1年未満になったり、1年を超えるケースが生じます。

課税売上高とは、消費税の課税対象となる売上高(税抜)の金額をいいます。非課税や課税対象外の売上高は含みません。

例えば7月に設立された法人で3月決算の法人の第3事業年度の基準期間は9カ月しかありません。この場合、課税売上高を年間ベースの金額に換算しなければなりません。具体的には、次の算式で計算します。

基準期間の課税売上高(税抜) ÷ 基準期間の月数(1月未満の端数切上) × 12カ月

 

またレアケースですが、決算期の変更などにより基準期間が1年を超える場合にも、課税売上高を上記の算式により年間ベースの金額に換算して納税義務を判定します。

特定期間の課税売上高による判定

基準期間の課税売上高による判定で免税事業者となった場合、さらに特定期間の課税売上高による判定を行います。
その課税期間の特定期間の課税売上高または給与等の支払額が1,000万円未満の場合消費税の納税義務が免除され、特定期間の課税売上高および給与等の支払額のいずれもが1,000万円を超える場合消費税の納税義務があります。

特定期間とは、その事業年度の前事業年度開始の日以後6カ月の期間を言います。
前事業年度が7カ月以下である場合その他一定の場合は、その期間は特定期間に該当しません。設立2期目の法人の場合特定期間が存在しないため、納税義務の判定は不要となります。
なお、決算期の変更などがあると特定期間の判定が複雑になりますので、詳細は改めてご紹介したいと思います。

新設法人(基準期間がない)の場合

新たに設立された法人の場合基準期間がありませんが、その事業年度開始の日における資本金が1,000万円以上である法人は、基準期間がない事業年度の消費税の納税義務が免除されません。
また、基準期間がない法人のうち、資本金が1,000万円未満の場合でも、次のいずれにも該当する法人(「特定新規設立法人」といいます)は、基準期間がない事業年度の消費税が免除されません。
①その事業年度開始の日において、他の者により株式等の50%超を直接又は間接に保有される場合など、他の者により支配される一定の場合(特定要件)に該当すること。
②上記①の特定要件に該当するかどうかの判定の基礎となった他の者及びその他の者と一定の特殊な関係にある法人のうちいずれかの者(判定対象者)のその事業年度の基準期間に相当する期間(基準期間相当期間)における課税売上高が5億円を超えていること。

なお、設立3期目以降は基準期間が存在するので、資本金の額等にかかわらず、原則通り、基準期間における課税売上高で納税義務の判定を行うことになります。

ただし、基準期間がない事業年度(簡易課税制度の適用を受ける期間を除きます。)中に「調整対象固定資産(棚卸資産以外の資産で、100万円(税抜)以上の固定資産等をいいます)」を購入した場合は、購入した事業年度の初日から原則として3年間は免税事業者になることができません(また簡易課税を選択することもできません)。

課税事業者になった場合

基準期間の課税売上高が1,000万円を超えたことにより、消費税の納税義務が免除されなくなったことが分かったときは、「消費税課税事業者届出書(基準期間用)」を納税地を所轄する税務署長へ提出します。

様式(国税庁のホームページ)

また、特定期間の課税売上高と給与等の支払額が1,000万円を超えたことにより、消費税の納税義務が生じたことが分かったときは、「消費税課税事業者届出書(特定期間用)」を納税地を所轄する税務署長へ提出します。

様式(国税庁のホームページ)

また、基準期間がない事業年度開始の日における資本金の額が1,000万円を超えるため、消費税の納税義務が生じるときは、納税地の所轄税務署長に「消費税の新設法人に該当する旨の届出書」を提出します。
(※ 法人設立届出書に消費税の新設法人に該当する旨及び所定の記載事項を記載して提出した場合には、この届出書の提出は不要です。)

様式(国税庁のホームページ)

さらに、特定新規設立法人に該当することにより消費税の納税義務が生じるときは、納税地の所轄税務署長に「消費税の特定新規設立法人に該当する旨の届出書」を提出します。

様式(国税庁のホームページ)

課税事業者でなくなった場合

基準期間の課税売上高が1,000万円以下になったため、消費税の納税義務が免除されることとなる事業者は、納税地を所轄する税務署長に「消費税の納税義務者でなくなった旨の届出書」を提出します。

様式(国税庁のホームページ)

課税事業者を選択する場合

原則的な消費税の納付額の計算方法をざっくり説明すると、売上等に係る消費税から、仕入等に係る消費税を差し引いてその残りを納付します。

支払った消費税が、預かった消費税よりも多いときは、その多い部分の金額が還付されます(戻ってきます)。

ただし、還付を受けることができるのは消費税の課税事業者だけで、免税事業者は還付を受けることができません。

そこでこのような場合には、あえて課税事業者になることで還付を受けることができるようになります。

免税事業者が課税事業者になることを選択するときは、課税事業者になろうとする事業年度の初日の前日までに、納税地を所轄する税務署長に「課税事業者選択届出書」を提出しなければなりません。
課税事業者になりたい事業年度が設立初年度の場合は、その事業年度の末日までに提出すればOKです。

様式(国税庁のホームページ)

なお、課税事業者を選択した場合は、2年間継続しなければ免税事業者に戻れません。
免税事業者に戻りたくなった場合は、免税事業者に戻ろうとする事業年度の初日の前日までに、納税地を所轄する税務署長に「消費税課税事業者選択不適用届出書」を提出しなければなりません。

ただし、課税事業者となった事業年度の初日から2年以内(簡易課税制度の適用を受ける課税期間は除きます。)に「調整対象固定資産(棚卸資産以外の資産で、100万円(税抜)以上の固定資産等をいいます)」を購入した場合は、購入した事業年度の初日から3年間は免税事業者になることができません(また簡易課税を選択することもできません)。

様式(国税庁のホームページ)

上記の内容は、課税期間の短縮がないことを前提に記載しています。

税務署の所在地などが知りたい方はこちら

 

【 ひとりごと 】

自分自身のまとめのためにも、なるだけ分かりやすく文章をまとめようと思って書いているつもりなんですが、

読み返すと

ここは違う意味にもとれる!

例外を記載しないと勘違いが起きる!

ということが頻発しすぎて、あれもこれもと書き足していくうちに自分でも

なんてわかりにくいんでしょう。。。

と反省することになってばかりです。

特に消費税は、法律の抜け道をなくすために、あとからあとからいろんな決まりが追加されて、それはそれは難解で。。。

難解なことを簡単に!

となるよう頑張ります。