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消費税の納税義務があるかないかはその年(事業年度)開始前に把握することができます。

納税義務が生じた場合は、その消費税の計算期間(課税期間)開始前に、消費税を申告納付するための準備や取引をどのように記録すべきかを確認しておきましょう。

今回は、納税義務が生じた際に前もって準備しておくための基礎についてまとめたいと思います。

届出書の提出

消費税の納税義務が生じることとなったときは、それぞれの場合に応じた届出書を納税地を所轄する税務署長に速やかに提出します。

提出が必要な場合 届出書名
基準期間の課税売上高が1,000万円超となったとき 消費税課税事業者届出書(基準期間用)
特定期間の課税売上高が1,000万円超となったとき 消費税課税事業者届出書(特定期間用)
新設法人に該当することとなったとき 消費税の新設法人に該当する旨の届出書 ※
特定新規設立法人に該当することとなったとき 消費税の特定新規設立法人に該当する旨の届出書

※ 法人設立届出書に新設法人に該当する旨を記載して提出している場合は不要

詳細についてはこちらをご確認ください。

消費税の計算方法

消費税の計算方法には次の2つがあります。
両者の計算方法はざっくり説明すると次のようになります。

1. 通常の消費税の計算(一般課税)

納付税額 = 売上に係る消費税額(課税売上高 × 8%) ― 仕入等に係る消費税額(課税仕入等 × 8%)

原則的な計算では、その課税期間中にお客さんから預かった消費税の合計額から、商品の仕入・経費の支払・固定資産の購入などにより自分が支払った消費税の合計額を差引いた残額が、納付すべき消費税額となります。
この計算をするためには、まず売上を消費税が課税される課税売上、消費税が課税されない非課税売上、消費税の課税対象でない不課税売上に、仕入等を消費税が課税される課税仕入とその他の仕入等に分類・集計する必要があります。
なお、基準期間の課税売上高・課税売上割合によっては仕入等に係る消費税額の全額を差し引くことができません。これについては改めてまとめたいと思います。

2. 簡易課税制度による消費税の計算

納付税額 = 売上に係る消費税額(課税売上高 × 8%) ― 仕入等に係る消費税額(課税売上高 × 8% × みなし仕入率)

簡易課税制度による計算では、売上に係る消費税額から差引く仕入等に係る消費税額を、売上に係る消費税額にみなし仕入率(業種に応じて定められた割合)を乗じて計算します。
このため、簡易課税制度を採用するときは、仕入れ等に係る消費税額が実際の仕入金額に基づかないため、仕入等の金額を消費税が課税される課税仕入とその他の仕入等に分類・集計する必要がありません。

なお、簡易課税制度を選択しようとするときは、適用を受けようとする課税期間の初日の前日(事業を開始した課税期間であるときは、その課税期間中)までに「消費税簡易課税制度選択届出書」を納税地を所轄する税務署長に提出しなければなりません。
ただし、簡易課税制度を選択した場合でも、基準期間の課税売上高が5,000万円を超える課税期間については、通常の消費税の計算をしなければなりません。

様式(国税庁のホームページ)

売上の分類

1. 課税売上とは

次の4つの要件を満たす取引の売上を課税売上と言います。
① 国内において行う取引(国内取引)であること 
② 事業者が事業として行う取引であること ⇒ 個人がプライベートで資産を売却した場合などは不課税
③ 対価を得て行う取引であること ⇒ 試供品や見本の無償提供、寄付・贈与などは対価を得て行うものでないため不課税
④ 資産の譲渡、資産の貸付または役務の提供であること 

2. 不課税売上とは

上記1の課税売上に該当しない取引に係る収入を不課税売上と言います。

3. 非課税売上とは

上記1.の要件(国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡等)に該当する取引であっても、課税対象になじまないものや社会政策的配慮から消費税を課税しない取引を非課税取引と言い、限定列挙されています。
主な非課税売上は次の取引に係る収入です。

1)土地の譲渡及び貸付け
2)有価証券等の譲渡
3)支払手段の譲渡
4)預貯金の利子及び保険料を対価とする役務の提供等
5)日本郵便株式会社などが行う郵便切手類の譲渡、印紙の売渡し場所における印紙の譲渡及び地方公共団体などが行う証紙の譲渡
6)商品券、プリペイドカードなどの物品切手等の譲渡
7)国等が行う一定の事務に係る役務の提供
8)外国為替業務に係る役務の提供
9)社会保険医療の給付等
10)介護保険サービスの提供
11)社会福祉事業等によるサービスの提供
12)助産
13)火葬料や埋葬料を対価とする役務の提供
14)一定の身体障害者用物品の譲渡や貸付け
15)学校教育
16)教科用図書の譲渡
17)住宅の貸付け

仕入の分類

1. 課税仕入とは

事業者が事業として、他の者から資産を譲り受け、もしくは借り受け、または役務の提供を受けることを言います。
商品等の購入だけではなく、事業用固定資産(非課税である土地等を除く)を購入した場合も課税仕入になります。

2. 不課税仕入とは

国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡や貸付け、役務の提供ではないものは課税対象外(不課税)の仕入になります。
例えば次のような費用は不課税仕入に該当します。

1) 給料等 ・・・ 雇用契約に基づく労働の対価であり事業として行われたものではないため
2) 寄付金・見舞金・補助金など ・・・ 対価性がないため
3) 保険金の受取 ・・・ 対価性がないため
4) 配当金 ・・・ 株主や出資者の地位に基づいて支払われるものであるため
5) 減価償却費 ・・・ 減価償却資産の購入時に課税仕入として処理済
6) 損害の発生に伴い受ける損害賠償金 ・・・ 対価性がないため(一定の場合を除く)

3. 非課税仕入とは

売上の分類「3.非課税売上とは」に掲げた非課税取引に係る費用が非課税仕入なります。
なお、消費税を計算する際、仕入については、課税仕入れの金額を集計すれば足りるので、不課税仕入と非課税仕入を分類して集計する必要はありません。

まとめ

消費税の計算方法には「通常の消費税の計算(原則)」と「簡易課税制度による消費税の計算」がある。

通常の消費税の計算(一般課税)をする場合、売上を課税・不課税・非課税に分類し、仕入等を課税・その他に分類しておく必要がある。

簡易課税制度による消費税の計算をする場合、売上を課税・その他に分類し、仕入等は分類する必要がない。

採用する計算方法に応じて、売上・仕入等を課税・不課税・非課税に分類できるよう理解しておく必要がある。

 

【 ひとりごと 】

友人から新宿三丁目にあったタイ料理屋さんが閉店しているとの連絡があり、

ネットで調べたら

7月末で閉店、新店舗が見つかり次第営業再開する

との情報が。

随分行ってなかったことに気づくとともに、食べられないとなるとあの味をまた食したい欲求が抑えられない状態に!

錦糸町の「讃岐うどん あ季」といい、「モモタイ」といい、
名店はどうしてこうもなくなってしまうのでしょうか。。。

早期の再開を願ってやみません。